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壺鐙
名称 | 壺鐙 (つぼあぶみ) |
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出土遺跡 | 原分古墳 (はらぶんこふん) |
所在地 | 駿東郡長泉町下土狩 |
時代 | 古墳時代終末期 |
法量 | 左用鐙 全長:16.0cm 幅:15.3cm 高さ:20.1cm 右用鐙 全長:15.1cm 幅:15.2cm 高さ:19.8cm |
指定の有無(指定年月日) | 県指定文化財 令和2年3月27日指定 「原分古墳出土遺物一括」 |
概要
左用鐙は遺存状態が悪く、復元で補填した部分が多い。右用鐙は若干変形しているものの、ほほ完存している。
輪部は断面蒲鉾形を呈しており、左側面における幅は1.8cm、厚さ0.6cmである。柄部に接合する上部は幅が広げられ、柄の幅と同一にされている。跨込部との接合部は不明瞭で、現状では輪部と跨込部は一体になっている。
跨込部は踏込舌部と踏込底板で構成される。踏込舌部は幅4.0mm、高さ9.0mmの板状の部材を折り曲げて外枠をつくり、その上端に幅0.5cm、厚さ3.5mmの棒状の部材を梯子状に配置して形成されている。踏込底板は、踏込舌部の下からあてられている。踏込舌部を構成する梯子状の各部材は、現状ではすべて一体になっているように見えるが、鍛接の痕跡や接着材などが用いられた様子は一切確認できなかった。
胸板は一枚の鉄板によって成形されている。柄部に隣接する胸板上部の中軸線には、わずかに稜線が確認できる。輪部との接合の痕跡は比較的明瞭であることから、鍛接はされていないと判断できる。
底板は半楕円形の一枚の鉄板が用いられている。内側は胸板との接合の痕跡が明瞭で、踏込部との境界も端面が残されている。外側は胸板との違いが明確であるが、踏込部との境は判然としない。踏込部と底板は足の力が最もかかる部位であり、組立工程において、この部分を特に丹念に鍛接したものと考えられる。