発掘調査Excavational investigation
開発事業に伴い、現状のまま保存できない遺跡について、遺跡を記録として保存するための発掘調査を行います。
遺跡は一度掘ったら決して元には戻りません。貴重な文化財を消滅させてしまうことになるわけですから、記録は正確に、詳しく残していかなければなりません。
表土除去
遺跡とは無関係な盛土や耕作土を、包含層(遺物が含まれている地層)の直上まで重機で掘削します。
包含層掘削
人力で、遺構(建物や溝、墓など、動かすことができない構築物の痕跡)が存在する深さまで、遺物を取り上げながら掘り進めます。
遺構検出
遺構の存在が確認できる面を、ジョレンなどの道具で丁寧に削っていきます。土の色や質の違いで遺構を見つけます。
遺構掘削
遺構内の土を、移植ごてなどで丁寧に掘削します。出土した遺物は、その遺構が埋まった時代を知る手がかりになります。
図面作成
遺構の規模や埋まり方、遺物の出土位置や出土状況を正確に記録します。また、遺跡の全体図も作成します。
写真撮影
図面と同様に、写真による記録も行います。細部まで鮮明に撮影できるよう、解像度の高いカメラを使用します。高い位置からの撮影は、ローリングタワーや高所作業車、広い遺跡全体の撮影は、ラジコンヘリコプターやドローンを使用します。
※遺構を確認できる面が複数ある場合は、包含層掘削から写真撮影までの作業を検出する遺構の面数だけ繰り返します。