特 集

静岡県埋蔵文化財センターのトピックスを御紹介します
3Dプリンターで復元
長泉町原分
(はらぶん)古墳出土
銀象嵌円頭大刀柄頭
(ぎんぞうがんえんとうたちつかがしら)



 原分古墳出土銀象嵌円頭大刀柄頭は、表面が錆に覆われ、現状では象嵌図文を見ることができません。そのため以前の調査では、マイクロフォーカスX線CT(コンピュータ断層撮影)の3次元データにより、亀甲(きっこう)つなぎ文にらせん文と円文を充填した図文が柄頭の全面を埋め尽くしていることが明らかとなりました。図文は沸き立つような躍動感に溢れ、曲線はどこまでも滑らかに、らせんと円はみごとな形状美を示して神秘的な古代のイメージを想起させてくれます。
X線CT画像
 今回、この3次元データを元に最新の3Dプリンター(3次元樹脂造形機)を駆使することで、オリジナルの状態を復元できました。復元品は、黒地に象嵌部分を灰白色に仕上げた形はもちろんのこと、細い銀糸を撚って鉄地にはめ込んだ細部まで忠実に再現しています。画像でしか認識できなかった「極限の技巧美」とでも言うべき古代の工芸品を、3Dプリンターが実体化して私たちに見せてくれました。
(以下の画像をクリックすると別画面で拡大します。)
3Dプリンター復元品 柄頭現状外観
 
原分古墳の概要
主体部:  駿東郡長泉町下土狩  
時 期:  古墳時代終末期(7世紀中葉の早い段階に築造、7世紀後様まで追葬)  
規 模:  直径17mの円墳
主体部:  無袖式横穴式石室(全長7.5m、幅1.7m、高さ2m)及び家型石棺
副葬品:  須恵器(すえき)・土師器(はじき)、馬具(轡(くつわ)、鞍金具、壺鐙(つぼあぶみ)等)、大刀(銀象嵌円頭大刀等)、鉄鉾(てつほこ)、鉄鏃(てつぞく)、弓金具、刀子、ガラス玉等、人骨
被葬者像:  副葬品の様相から、被葬者は2世代の男性と考えられる。王権あるいは畿内有力氏族との直接的な関係を持ちつつ、東日本における生産・流通に関わりを有する在地の首長
現 状:  石室・墳丘は道路隣接地に移設復元して公開中
 出土遺物は県埋蔵文化財センターが保管管理
経 過:  平成13・14年(財)静岡県埋蔵文化財調査研究所による確認調査
 平成15〜16年 本調査  
 平成16〜19年 本調査・整理・保存処理
原分古墳位置図
原分古墳全景 原分古墳石室内遺物出土状況
原分古墳石室内 原分古墳出土遺物


ふじのくにの遺宝

静岡県埋蔵文化財センターが保管する出土文化財の中から、特に貴重な品物を御紹介します。

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 銅鐸
 〜西の谷遺跡〜 (磐田市)
 こけら経  〜仁田館遺跡〜 (函南町)
 金銅製馬具  〜原分古墳〜 (長泉町)
 小銅鐸  〜青木原遺跡〜 (三島市)

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